医療現場からヘルスリテラシーの理解を

ヘルスリテラシーとは、健康に関する情報を自ら入手し、自分なりに理解をし、評価したり活用するための意欲や能力のことを意味します。こういった能力を生かし、病気の予防やヘルスケア、ヘルスプロモーションについて自ら判断したり、意思決定をし、生涯において生活の質を維持、向上させることができるというものです。つまり、健康でいるために検診や予防接種を積極的に受けに行ったり、生活環境を向上させるための活動に参加するなどといったものです。テレビやインターネットでは、健康に関する情報がたくさん発信されています。高齢者のなかにもヘルスリテラシーの意識が高い人は、自分の手のしびれがどこからきているのか、どうすれば痛みが和らぐのか、様子を見た方が良いのか、すぐに病院へ行った方が良いのかといった事を調べている人もいます。しかし、情報の信頼性を判断することは難しく、医師の治療方針とズレが生じることがあります。こういった場合、看護師はどのような対応をすればよいのでしょうか。治療方針はあくまで医師の判断でおこなわれます。しかし看護師は、患者のヘルスリテラシーへ理解を示すことも大切です。患者からヘルスリテラシーに基づく依頼を受けた場合は、患者の意見をチームスタッフに共有し、どのような協力が可能なのか話し合ったり、できそうな所から対応していけると良いでしょう。こういった対応をスムーズに行うためにも、看護師がヘルスリテラシーへの理解を深めることが大切です。